生姜の力(後編)

 

~前回からの続きです~

まだまだある生姜の効果

 生理痛を抑える効果

生姜には抗けいれん作用と抗炎症作用があるため、生理痛の緩和にも役立つと言われています。実際にイランのシャヒドベヘシュティ医科大学による研究で、150人の女性が1日1gのショウガの粉を生理が始まってから3日間摂取したところ、イブプロフェン(解熱、鎮痛、抗炎症薬)と同じくらい痛みの緩和に効果があったという報告があります。

 コレステロールを下げる効果

イランのバボル医科大学が高血圧の人85人を対象に行った研究では、1日3gの生姜の粉末を摂取したところ、ほとんどの人のコレステロール値が著しく低下したことがわかっています。また、生姜に含まれるジンゲロールなどの抗炎症物質は、血圧低下を助け、血中脂質の値を減らす作用もあり、心臓病の予防効果としても期待されています。

血糖値の上昇を抑える

イランのテヘラン医科大学が行った小規模研究で、2型糖尿病を持つ41人の研究参加者に毎日2gの生姜の粉末を処方したところ、空腹時血糖値が12%低下したという報告もあります。いずれも定期的に摂取を続けることで効果が得られていますので、辛い時だけ単発で摂取するよりも日常的に摂取するようにすることをお勧めします。

 

生姜の摂り方

 ・スライスして調理に使う

・味噌汁やスープなどに入れて飲む

・すりおろしてハチミツや紅茶などに入れて一緒に飲む

生姜の摂り方によって期待できる効果が違います。ジンゲロールは粉末よりも生の方が多く含まれています。吐き気や胃の不快感を抑えたい時には、生ですり下ろしたものを摂取することをお勧めします。まとめてすり下ろしておいて冷凍して使いたい時に解凍するというのはお勧めしません。

いずれの成分も減少してしまうので、効果が弱くなります。ジンゲロールは末梢の血流を促進させますが、深部が冷えやすいという欠点があります。そのため体温を底上げするには力不足です。しかし、その欠点は加熱調理することで補うことができます。生姜は加熱するとショウガオールの量が増えます。ショウガオールは体内を深部から温める作用があります。

さらに乾燥させることで量が増えるジンゲロンは漢方の「ショウキョウ」という生薬で有名です。低体温の人には加熱や乾燥させたものを摂取することをお勧めします。

 

加熱乾燥方法

加熱・・・保温ボトル(水筒等)に皮付きのまま薄切りにした生姜と熱湯を入れ、3時間ほど置く。生姜白湯としてそのまま飲むのも良し、調理やスープに使ってもOK。

乾燥・・・皮付きのしょうがを薄切り(1mm くらい)にし、80~100℃のオーブンで約 1 時間かけて乾燥させる。刻んだり砕いたりして料理や飲み物に入れて使います。あまり高温で加熱すると有効成分が壊れてしまうことがあるので注意が必要です。

 

摂取量

体に良い効果がたくさんある生姜ですが、摂り過ぎはもちろん要注意です。空腹時にいきなり生のすりおろし生姜を入れるとお腹はその刺激によって痛みを訴えることがあります。食事の際のはじめの一口目や、食後にとると良いでしょう。加熱したものなら1日に1mmスライスを3〜4切れ程度。

生姜焼きなどの料理で使う以外で、生姜だけで摂取する場合には、生で摂るなら一回あたりティースプーン3分の1から半分くらい。夕飯後のティータイムにハチミツショウガ湯やショウガ紅茶として飲むと摂りやすいです。

サプリや生薬で摂取する場合には1日5g以下にしましょう。(妊婦さんは1g以下)またサプリの場合、他の薬との相性もあるので、常用している薬がある方は医師や薬剤師に相談してください。

 

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