〜スネるのをやめる〜
進化の過程を見ると人類は高度な「群れ」を形成することで、生存確率を上げてきたことがわかります。個体としての進化以上に「群れ」の形成が重要だったのです!群れというと動物的ですが、今で言うところのコミュニティや社会との繋がりになります。
つまり社会で上手に生きていくことが、生存に直結するので、群れとの関わりが難しい個体にはストレスになってしまうようになってしまいました。哺乳類以降の円滑な群れの形成に不可欠だったのがコミュニケーションです。霊長類、なかでも高度な「ヒトの群れ」では顕著です。
現代社会のストレスの大半が関係性の中で生じています。
人との関係性や社会でストレスを少なく生きるためには適度に甘えられることが不可欠です。
しかし、自分のなかに「拗ね(スネ)」があることで、上手に甘えられなくなります。
ストレスが多い人が共通して持っていて、生きていく上で意外と厄介なのが、この「拗ね(スネ)」です。
スネる人は「どうせ・だって・自分なんか」が口癖で甘えるのがうまくありません。
良好なコミュニケーションの基本は自分を認め、相手も認める「I’m OK ⇄ You are OK」という前提で関わることです。
スネがある人は「I’m not OK ⇄ You are not OK」自分も認めず相手も認めないという一番良くないパターンを使いがちです。
わかりやすく言えば「こんな自分は甘えさせてもらえない。(I’m not OK)そして、あなたもどうせ私のことを受け入れないんでしょ。(You are not OK)」という状態です。
こうしたパターンで生じるコミュニーションではロスが多くなり、自分のみならず相手のエネルギーを奪うことにつながります。
こうなると自分の考えや欲求を正直に言えなかったり、本当は思ってもみないことを口にしたり、してほしいことを自ら口に出して伝えようとはせずに、察してもらおうとすることが多くなり、関わる人の時間もエネルギーも奪います。
そんな厄介な「スネ」はどこから来るのか?というと、これはもう、ほぼ「親」と言っていいほど、自分の幼少期における親の関わりが大きく影響してきます。
極端に言えば、スネないと自分を守れなかったのです。
もしスネずに生きてきたら、100%で甘えられることを期待してしまいます。それを親(大人)に受け止めてもらえればスネは起こらないのですが、拒否されてしまうことからはじまります。
拒否されると傷つくから、「どうせ」と言って傷つかないように期待値を下げます。同時に自分自身の存在価値も。
中にはとても辛い関わりをされてきて、簡単ではない人もいると思います。
でも、それは無力だった子供のころの防衛手段であって、大人になった今のあなたには、それ以外の防衛手段や選択肢があるはずなんです。もう拗ねて生きなくても自分を守ることが可能なはずなんです。
「スネる」のを手放すために効果的なのがやっぱり「人の力」になります。人に話を聞いてもらう、人の話を聞く、人と一緒にいる、人に励まされる、人に触れる、触れてもらうなど。
僕自身もそういった幼少期の防衛手段が思考や生き癖に影響して、どこかで「だって仕方ないじゃん」てスネて生きてきたところがありましたが、振り返ってしっかり周りを見渡せば、パートナーや子供達、恩師や先輩など周囲の人に助けられていることがたくさんあったことに気づかされました。
意外と過去が辛かった人ほど、周りにそれ以上に暖かい手を差し伸べてくれている人がいるものなんです。
それは直接的な言葉でもらっているかもしれないし、言葉は少なくてもずっとそばにいてくれることで受け取ってきたのかもしれません。
もちろん大人だけとは限りません。あなたのお子さんがあなたを支える存在になっているということもあります。
ところが、スネが強いと周囲のヘルプにフォーカスせずに、自分の辛いことばかりに支配されてしまい、いつの間にか壺の中に入って周りを見渡せなくなってしまうこともあります。
自分は適切な愛情を受け取っていなかったって寂しさを感じた時には、過去のことから一旦、フレームを外して、いま現在の自分の周りをもう一度見直してみることも必要です。
一生懸命あなたのために支えてくれている人がいませんか?
その人の愛があなたを傷つけた人たちの何倍も大きいエネルギーであることに気づけると、オセロが一気にひっくり返るように楽になることがあります。
「どうせ、だって、自分なんて」が出てきそうな時には、それは自分が子供の頃に身につけた防衛手段だということ、今はもうそれを使わなくても大丈夫な大人になっていること、立派に社会で戦っている自分がいることを思い出してみてください!
家庭環境は一番はじめに所属する群れであり、その影響力はとても大きいので、そのなかで身につけた防衛手段を手放すことは簡単ではないかもしれませんが、人の助けを借りて一つ一つ、チャレンジしていくことで、次第に手放すことに繋がっていきます!
それでも難しい場合には未完了が大きく残っているのかもしれませんので、お気軽にご相談くださいね。