目に見えない物の影響を考える〜香害について①〜

この10年で、うつ、めまい、パニックや原因不明の頭痛や胃腸障害など、自律神経のトラブルによる症状にお困りの人が急増していますが、その背景には、日常に蔓延する「自覚されないストレス因子」が増えていることが考えられます。

ストレスが精神的なものばかりではないことは、もう何度もお伝えしておりますが、環境的ストレスの中には電磁波や光、騒音以外にもニオイというものがあります。
中でも近年、洗濯洗剤や柔軟剤に使われているマイクロカプセルやアロマ成分と言われる化学物質の影響は化学的ストレスと環境的ストレスの両方で私たちの脳のシステムエラーを引き起こしています!

ということで、今回はもはや無視できなくなっている「香害」についてお伝えします。

 

 

香害とは

あなたは友人や同僚の服についた香りに不快感を覚えたことはありませんか?
シャンプーや化粧品、衣類、整髪料などについた人工的なニオイは「香害」と呼ばれ、近年この香害によって学校や職場にいけなくなるといった、深刻な問題を訴える人が増えています。
香害は柔軟剤や洗濯洗剤に含まれる香りを作る化学物質が、頭痛や、めまい、吐き気、思考力の低下を引き起こす化学物質過敏症の一つです。

シャボン玉石鹸という会社が行ったインターネット調査では、「人工的な香りをかいで、頭痛・めまい・吐き気などの体調不良を起こしたことがある」と答えた人が5割を超えていたそうです。
僕の友人に発達支援事業所を運営している人がいますが、彼の事業所では職員や児童の中に頭痛や吐き気を訴える人が増えたため、職員に人工香料を使った洗剤の使用を中止してもらうようにして、保護者にもその有害性を訴え、極力使用を控えてもらうように協力してもらったところ、体調不良を訴える子が減少したと話していました。

 

現在、巷に出回っている洗剤や柔軟剤には、そのニオイの効果を長続きさせるためにマイクロカプセルが使われていることがあります。
メーカーや商品によっても異なりますが、柔軟剤1mlあたり6万個から100万個のマイクロカプセルが含まれていることがわかっています。一回あたりの洗濯(約30Lの水量)で使う柔軟剤の量が5ml〜20mlなので、30万個〜2000万個ものマイクロカプセルが使われていることになります。マイクロカプセルは衣類に付着し、刺激によってカプセルが割れて、中に入っている人工香料が飛散します。だからこそニオイが長持ちするということなのですが、長時間、人工香料を嗅ぎ続けることで、頭痛や吐き気、めまいなどの原因になったり、化学物質過敏症を引き起こすことになります。
 

またマイクロカプセルの主な成分はメラミン樹脂やエチレン酢酸ビニルなど5mm以下のマイクロプラスチックです。これが体内に入り込むことで生じる健康被害もまた未知数です。日常的に体内に吸い込んだマイクロプラスチックは、大人もそうですが、子供たちの脳や生殖機能にどのような影響を及ぼすか、想像するとゾッとします。

それだけでなく、マイクロプラスチックは土に還らないので、衣類から大気中へ拡散し、やがて川や海へ流れ込むことで環境汚染になっていると専門家は警鐘を鳴らしています。EUではマイクロプラスチックを使用した洗剤や柔軟剤を禁止する方向で動いていますが、残念ながら日本では環境省からの努力義務程度で止まっており、2021年から調査が始まったばかりで、今なお使用を中止するような動きはありません。

化学的な香りは物質的なストレスになります。そこについては次回またくわしくお伝えします!

 

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