ストレスホルモン(糖質コルチコイド)

 

 今回も副腎皮質ホルモンについての続きです!

 

前回は糖質コルチコイドにはタンパク質異化・免疫抑制・抗炎症作用 があると書きました。 

さて、ここでタンパク質異化ってなんぞや?って話になります(^_^;)

異化といわれても意味がわからないですよね?

 

これはタンパク質を分解してブドウ糖を合成しエネルギーを作りだすということです。

 

大昔、人がまだ狩猟民族だった頃、野生に出るのは死と隣り合わせでした。

猛獣に襲われるかもしれないし、突然の天候や気温の変化など

これらは全てストレスになります。

こういった危機的状況になった時

脳をフル回転させ過去の経験や持っている知識の中から

どうすればその危険な状況から無事に生還出来るかを短時間で探ります。

また、その結果はじき出された結論に身体が動いてくれる状態でなければなりません。

つまりストレスが振りかかった時は

脳をはじめ身体を動かすためにエネルギーが必要になります。

 

さすがに現代は猛獣に出くわす人は、なかなかいないかと思いますが(笑)

対人関係のみならず、痛みや過労、気温気圧の変化、化学物質などは同様に

ストレスになります。たとえ目に見えないストレスでも

ストレスに立ち向かうにはエネルギーが必要なのです!

(エネルギーが枯渇しているのに身体を動けるようにするために

交感神経の働きを高める薬を飲んでしまうといずれ身体のブレーカーが落ちます)

そのエネルギーを作りだすためのホルモンが糖質コルチコイドであり

これを作っているのが、この副腎なのです。

 

 

皆さん、ステロイドという薬はご存知かと思いますが

あれは人体で作られるステロイドホルモンを化学的に精製して薬にしたものです。

そのステロイドホルモンの一つがこの糖質コルチコイドなのです。

そう言われると抗炎症作用と繋がりますよね。

身体に炎症(痛みなど)が起こるとストレスと戦えなくなってしまいます。

そうならないように炎症を抑える働きをこのホルモンがしてくれます。

 

そして糖質コルチコイドは炎症作用を抑えると同時に

炎症部位に白血球が侵入するのを防ぐ働きもするため

免疫反応を抑制する働きもします。

アトピーやアレルギーは炎症と過剰な免疫反応なので

抗炎症と免疫反応抑制作用があるステロイド剤がよく効くのです。

 

糖質コルチコイドの中でも特に有名なのがコルチゾールというホルモンで

コルチゾールはストレスホルモンとも言われています。

ストレス発生時には、これに副腎髄質ホルモンであるアドレナリンも分泌され

そのストレスに立ち向かうにせよ、逃げるにせよ、

身体を全力で動かせるようにしているのです。

 

しかし、このホルモンは身体にとって良いことばかりしてくれる

わけではありません。

これについては、また次回に続きます。

 

 

 

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