ミトコンドリアと酸化ストレス

前回に引き続きミトコンドリアについてです。

人が活動するために必要なエネルギーの実に95%をミトコンドリアで産生しています。
ミトコンドリアの中では酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するので、呼吸と同じガス交換をしているため、「内呼吸」といったりもします。

ミトコンドリアで作り出されるエネルギーをATPという呼び方をします。

中学か高校の理科で習ったと思いますが、「アデノシン3リン酸」というやつです。

 

細胞内でエネルギーを作り出すのに

・ブドウ糖からATPを作り出す解糖系

・クエン酸を利用してATPを作り出すクエン酸回路

・電子伝達体を利用してATPを作り出す電子伝達系(ミトコンドリア)

 

の3つの仕組みが存在します。

 

疲れやすい人はこの回路のどこかがうまく回っていないか、ミトコンドリアの数が少ないのです。反対に疲れにくい人はミトコンドリアの数が多いことがわかっています。

つまり疲れにくい体を作るためにはミトコンドリアの数を増やせばいいのです。

 

また、ミトコンドリアにはアポトーシスといって、役に立たなくなった細胞や、損傷した細胞が自滅して再生するようにする働きがあるのですが、損傷した細胞が自滅せずにおかしな遺伝子になってしまうとがん細胞が生まれます。

さらに、がん細胞はブドウ糖からATPを作るエネルギーシステムを利用しています。ガンは糖質が大好きなんです。反面、ミトコンドリア内で行われる電子伝達系は苦手なのです。つまりガンの予防としても治療としてもミトコンドリアの活性は有効で注目を集めています!

 

ミトコンドリアと酸化ストレス

ミトコンドリアは膨大なエネルギーを産生しますが、必ず1〜3%の活性酸素が発生してしまいます。

活性酸素とは、大気中の酸素よりも活性化された酸素およびその関連分子の総称です。
呼吸で取り入れたうち消費できずに体内に残った酸素も活性酸素となり、フリーラジカルのように不安定な物質と反応しやすい性質があります。
フリーラジカル・活性酸素によって電子を奪われて細胞が不安定な状態になることを「体の酸化」と呼びます。
そして、体の酸化が抗酸化力を上回った状態(酸化>抗酸化力)を「酸化ストレス」と言います。酸化ストレスにより体内のタンパク質や脂肪などの細胞が変性し破壊されることで、老化現象が促進します。また、がん、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因にもなります。

つまり闇雲に増やしさえすれば良いということではなく、酸化ストレスをいかに抑えながら増やすか!が重要なのです。

 

酸化ストレスによって起こる病気・不調
・脳神経疾患
・がん 悪性腫瘍
・循環器系疾患
・糖尿病
・アトピー
・不妊
・老化
・原因不明の長引く不調

 

対策

・フリーラジカルを防ぐ

・抗酸化力を上げる

・ミトコンドリアを増やす

 

1.フリーラジカルを防ぐ

まず、フリーラジカルについてお話しておきますね。ATP合成の過程で作られる代謝産物で、ATPが作られ過ぎることで発生します。私たちの細胞を原子レベルで見ると原子の周りには電子が回っています。この電子の数が正常でないために非常に不安定な状態の原子や分子で作られた物質をフリーラジカルと言います。

対策としては、ATP供給過多を防ぐ必要があります。エネルギーでもあるATPはどんどん増やした方が良いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、単純ではないのです。

通常ATPは1つの糖から36個作られます。そして1つの脂肪からは129個作られ、1日に100kg近いATPが作られては壊れていっているのです。

つまり、過食やアルコールによって糖質や脂質を取り過ぎることで過剰なATPが作られます。それは同時にフリーラジカルも大量に作られてしまうということです。特にこれから寝るだけという夜の時間帯にアルコールを飲みすぎたり、豪華な食事をすると消費されずに残るATPが多くなるので、夜遅い飲食は本来望ましくないのです。

 

 

2.抗酸化力を上げる

僕たちが生きていく上で、活性酸素対策は常に考えなければなりません。

基本的には紫外線などを浴びすぎないようにする、人工光や電磁波を避ける、時間の経過した油モノを食べない、といった生活の中で避けられることは避けるように心がけましょう!精神的ストレスも体を酸化させるので要注意です!

 

また抗酸化力の強い食べ物を積極的に摂りましょう!

・無農薬のブルーベリーやカシス

・有機赤ワイン

・有機抹茶

・ブラックソルト

・アロエ

・オーガニックトマトジュース(リコピン)

・ビタミンA・C・E

・有機緑黄色野菜

抗酸化力は持って生まれた個体差があります。現代社会は食べ物だけでなく、住環境やパソコンの光と電磁波など、体を酸化させるストレスが多く、同じ環境にいても人によっては大丈夫でも、自分はなぜか疲れやすい、集中できない、頭痛がするなどのトラブルになっていることが少なくないのです。

 

〜セロトニン活性と抗酸化力〜

当院のセロトニン活性療法は活性酸素対策としても非常に高い効果が期待できます!

人体で最大の抗酸化力を持つのがメラトニンいう脳から出るホルモンなのですが、このメラトニンはセロトニンから作られます!
つまりセロトニン量が増えれば、メラトニンも増えるのです。

 

「ミトンドリアを増やす」については長くなってしまったので、次回またお伝えしますね!
最後までお読みくださりありがとうございました!

 

 

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