3/23(金)の読売新聞に「自閉スペクトラム症」(ASD)についての大変に興味深い記事がありましたので是非、ご紹介させてください。
ASDは脳の機能障害で15番染色体の遺伝情報の変異と考えられていますが、理化学研究所がマウスの染色体に同様の変異を加えたところ、ASDに非常に似た特徴が現れたそうです。そこで脳の働きを詳しく調べてみると、「セロトニン」の量が減っていたので、マウスにセロトニンを投与してみるとASDに似た特徴に変化がみられたそうです。
また、ASDの人の遺伝子を分析すると、発症に関与する可能性のある変異を見つけたそうです。その結果、脳の神経伝達物質「シナプス」の形成に不全が起こるため、脳の情報伝達に支障が出るのではないか・・・ とみられています。
難しい言葉を羅列してしまいましたが、つまりセロトニン不足がASD発症の原因になりうる・・・事がわかったのだそうです。引き続き、詳しく調べるとのことですので、さらなる研究結果に大いに期待したいと思います!
そしてASDの人は相手の表情や口調から心の内を読み取るのが苦手で、例えば言葉と態度が正反対で一致しない場合でも言葉を額面通りに受け取りやすい・・とされています。浜松医科大の実験ではASDの人にオキシトシンを投与すると、投与前より、相手の言葉よりも表情や口調から読み取ろうとする行動が増えたそうです。
今後の研究の成果を待つ必要はありますが、セロトニンやオキシトシンがASDに何かをもたらせるのであれば、我々に出来ることが増えてきます。薬に頼らずとも、セロトニンを活性させる療法があります。興味のある方はご相談くださいね。