砂糖が体に起こす作用
今回はドキュメンタリー映画「甘くない砂糖の話」の内容から引用しています。この映画では健康な青年が1日に砂糖をティースプーン40杯分を摂取し続けることで、身体の変化を観察していく映画です。
映画の中では、健康優良児だった青年が砂糖を摂取し続けて18日目の検査で肝臓のALTという数値が爆上がりしていきます。ALTは肝臓にある酵素なので、血液検査でALTが上がっているということは肝臓内で組織が壊れているという見方が出来ます。つまり肝臓で炎症が起きているということです。
体内に入った砂糖は「果糖(フラクトース)」と「ブドウ糖」の2つに分かれて肝臓にいきます。ブドウ糖は肝臓でエネルギーとしてすぐに使われるか、いざという時のために蓄えられます。一方で「果糖」は本来、自然界において希少なため、肝臓はそれを全て吸収しようとします。そこで余った分は即座に脂肪に変えられます。その脂肪の一部が肝臓に居座り脂肪肝やインスリンの機能不全、糖尿病の原因になります。さらに果糖から作られた脂肪は中性脂肪として血中に送り出されるのです。
砂糖に限らず、ご飯やパンやパスタなどの炭水化物を食べると体内のブドウ糖が増えます。吸収されたブドウ糖は、インスリンによって細胞内に取り込まれエネルギーとして使われます。ブドウ糖とインスリンの量は比例関係にあるので、血中のインスリンがブドウ糖の処理を始めると、脂肪細胞は分解されなくなります。
つまり砂糖を大量に摂取すると血中に脂肪が送り込まれるにも関わらず、分解されないまま残ってしまいます。それが肥満や動脈硬化、心臓病、脳梗塞の原因にもなります。
また、糖質はガン細胞のエネルギー源にもなっているためガンの予防に砂糖を断つということも必要になります。
糖化(glycation)の弊害
糖化とは、食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象のことです。
この糖化は活性酸素を生み出し、肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れます。
また糖化が進むことでAGE(糖化最終生成物)というのがつくられ、内臓をはじめとする体内組織に作用して、ガンなど多くの病気の原因となることが知られています。
また、炭水化物から分解された糖質(間接糖)と違って、砂糖のような直接糖は細胞を崩壊させやすくなり、ウイルスや細菌にも感染しやすくなり、アトピーなどアレルギーにもなりやすくなります。
ちなみに果糖(フラクトース)という言葉はいかにも害が少なそうに見えますが、実は果糖の害も大きいので要注意です!
多くの人が体重を落とそうとして頼りにしている低脂肪ダイエット食品に、実はフラクトースが大量に入っていて、そうした加工食品では繊維が除去されているため、糖分が吸収されやすく健康被害のリスクは高くなります。スポーツドリンクなどもかなり健康的で体に必要であるかのようにCMしていますが、医学的に考えれば、今のスポーツドリンクは、異性化液糖などの含有量が非常に多いうえ、危険な人工甘味料なども加えられており、かなり体に悪い飲み物です。
さらに異性化液糖の多くは大半がトウモロコシを原料として製造されていますが、このトウモロコシがほとんど遺伝子組み換え食品なのです。
ここまで聞くと、砂糖が体を壊す毒になるというのも納得いただけると思います。
「甘くない砂糖の話」の中では、砂糖を摂取し続けた主人公は次第に吐き気や頭痛、強い倦怠感に襲われます。そのような時に砂糖を摂取すると、その後45分くらいは頭がハイになってくると話しています。その後、再び強いだるさに襲われ、ボンヤリしたり、心ここにあらずという状態になってしまうと言います。
そこで砂糖を食べるとまたスイッチが入って戻れるのだと。体調の変化の中で一番感じているのはこのような気分の変動、メンタル面への影響だとも話しています。
こうした状態は学校に行けないお子さんたちの中にも非常に類似した症状が見られています!不登校はメンタルの問題が大きいですが、そのさらに背景にはこうした砂糖の過剰摂取など、食生活の影響も考えなければなりません。