デジタルドラッグとは
「デジタルドラッグ」とは、スマートフォンやゲーム、ソーシャルメディア、オンラインショッピングなど、インターネットを通じて提供されるコンテンツやサービスに依存しやすくなる現象や状態を指します。
主にスマホゲーム、オンラインゲーム、LINE、X(ツイッター)、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSやユーチューブやアマゾンプライムやネットフリックスといったサブスク動画配信コンテンツなど、デジタルプラットフォームに没頭して時間の大半を費やしてしまう状態を言います。
度が過ぎると日常生活や健康、人間関係に悪影響を及ぼすこともあります。近年、デジタル依存症やネット中毒といった問題が注目されており、その依存システムが脳内では薬物依存と同じ理屈で起きていることもわかっています。
デジタルドラッグの害
年々、不眠やめまい、頭痛など自律神経の不調とともに、起立性調節障害や不登校といったお子さまの健康に関するご相談が増えています。
起立性調節障害や不登校の取り組みをする上で大きな障壁になってくるのがタブレットやスマホ、ゲーム機器をはじめとするデジタルデバイスからの人工光です。
スマホやパソコン、ゲーム機器からの人工光は脳のエラーを起こします。その結果、自律神経の働きが低下してしまい、夜なかなか寝付けない、朝起きれない、起き上がるとめまいや頭痛、倦怠感が出るといった身体症状になっていきます。
スマホなどの人工光が脳に届くと交感神経が働きます。スマホというツールはどうしても近距離で見るものであり、近くを見るときには毛様体筋という筋肉が対象物に対して焦点を合わせます。この時に働く毛様体筋は副交感神経支配のため、スマホを使うというのは近くを見るために副交感神経を使い、人工光が入ることで交感神経が上がる。自律神経は交感神経と副交感神経がありどちらかが優位に働くと、もう一方は抑制されるようになっているのですが、スマホを使うと両方が同時に使われるため、目だけで自律神経失調状態が起こってしまうのです。これが瞬間的ならまだ良いのですが、何時間も使えば当然、脳も自律神経もエラーが起こります。
“人によっては”という前提を置いてですが、スマホやゲームはドラッグに近いくらい依存性の高いものになりえます。過去のご相談のケースには使用を制限されると暴れて家中の物を壊したり、親に殴りかかってくるということさえあります。こんな状態になるのはもうドラッグと同じです。それは脳内神経伝達物質の観点からもドーパミンが出るように作られており、ゲームにしろSNSにしろ一度使ったら離れられなくなるようにできています。
こうしたスマホやゲームを自分でコントロールして使うという能力は「社会脳」と呼ばれる大脳皮質のネットワークが十分に獲得できた段階でできることで、そうした脳の使い方が獲得できていない小学生の頃からスマホやゲームに触れてしまうと快・不快の本能的な脳の使い方ではコントロールすることが難しく、簡単に依存症になってしまうのです。特に大脳皮質のネットワークに課題のある発達障害やグレーゾンのお子さんたちには大人が十分に管理できる環境の中で使用させないと非常に危ういのですが、思春期に入ると反抗期と重なって、その管理自体がとても難しくなってきます。
特に今のお子さんたちは“無”に対してトレスを感じる傾向がとても強く、何らかの刺激、特に自分が快を感じる刺激を求め、ゲームや動画、SNSは身近に存在する効率の良いご褒美(報酬)になるため、つい手を伸ばします。
不登校のお子さんのなかには、学校に行けない日中にやることないからゲームや動画を観るしかないという理屈で、極力自分のエネルギーを使うことなく報酬(刺激)を手にするようになっていき、これを繰り返していくと年相応に乗り越えるべき課題を経験しないため、ストレス耐性が非常に低くなってしまいます。人生において適度なストレスは不可欠なのですが、快・不快レベルの本能的な脳の使い方ばかりしていると少しのストレスも回避しようつするため、近所のコンビニに買い物に出ることさえ億劫になっていきます。
また、学校に行けいないからせめてネットの中だけでもつながっていたい、自分がいないところで悪く言われてしまわないか?存在を忘れられたくないといった不安感からSNSなどネットでの繋がりを求めるケースもあり、これもまた長時間、昼夜問わずスマホを使い続ける要因になっていて、こうした不安感は愛着形成の未完了があったり、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン。生まれつき外界の刺激に敏感で、物事を深く処理する気質を持つ人)などもともとの脳のシステムとして不安を感じやすい傾向があることも関係してきます。
不登校や起立性調節障害を扱う整体院、整骨院が増えていますが、その背景はとても複雑で単にマッサージや整体をすれば良くなるということではなく、なぜ自律神経のエラーが起きてしまったのか?その要因となっているストレスをしっかりと分析し、多面的にアプローチしていく必要があるのです。
所沢市自律神経専門整体院カラダ支援アシスト整体院では起立性調節障害や不登校のご相談も受けております。お子さんのお身体でいま何が起きていて、どんな取り組みが必要なのかが見えてくると思いますので、まずは保護者様が初回カウンセリングを受けていただくことをお勧めします!
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